薬剤師教育課(仮)

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ベルガリアード物語1 予言の守護者

去年の98冊目。

予言の守護者 - ベルガリアード物語〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

予言の守護者 - ベルガリアード物語〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

妻ちゃんから「DQとFFを足して2倍したという評判」と聞かされております、去年の誕生日プレゼントにもらった本の内の一冊。
DQってのは基本的に主人公の意思をセリフとして発することがない。
これは単にしゃべらないという意味でもあるのだけれども、次にどこへ行くか、どんなストーリーが展開するかっていうのには主人公自身の意思は反映されない。
即ち巻き込まれ型の話がメインであり、行く先々でのショートストーリーが連なって全体を構成するんだよね。
ストーリーの中に主人公の意志が反映されないため、周囲の人物はともかくとして主人公自身の精神的成長というものは基本的に描かれない。
対してFFの場合、主人公の意志の有無ってのは一様ではなく、まず大きなストーリーの流れがあり、それに沿う形で主人公が巻き込まれたり自らの意志で進んでいったりする。
その中では主人公も周囲の登場人物同様に精神的葛藤があったり成長が描かれたりするのがDQとの違いだと思っている。
とりあえず1巻の段階において、世界に漂う空気感は全体にほのぼのとしたDQ的な印象よりも、どこか陰のあるFF的な印象の方が強いのだけれども、上記を踏まえてみれば確かに主人公たるガリオンはずっと周囲に守られるべき子供として描かれ、彼がどう思おうが何が分からなかろうが関係なく話が進み、それはさしずめパパスに連れまわされるDQVの少年時代のようだと言えなくもない。
要所要所では周囲のコントロール下から外れて彼が物語の展開を切り開くカギになる事実をみつけだすのだけれども、それらを検討して次の目的地を決めるのはあくまでもガリオンではなく周囲の大人であるという点も、そういえばDQ的だと言える。
さてお話の方は、1巻丸々使ってようやく旅立ちというところ。
作中のガリオン同様、読者にもなかなか情報が開示されないのでじれったく感じるけれども会話文が面白いので読んでいてしんどくはない。
今後どう展開していくのか楽しみにしておくことにする。