薬剤師教育課(仮)

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高齢者の肺炎

地区薬のお勉強会(+例会)、今月のテーマは高齢者の肺炎。
知らないうちに日本人の死因の第3位に「脳血管疾患」を抜いて「肺炎」が上がってきてたようですよ。
高齢化が進んで誤嚥性肺炎が増えているのが要因みたい。
その脳血管疾患、とりわけ脳梗塞を起こすと誤嚥が増えて肺炎が増える、と。*1
梗塞の部位によっても肺炎の起こしやすさが変わって、大脳皮質よりも大脳基底核に梗塞を起こした方が誤嚥→肺炎を起こす割合が多いらしい。
そんな高齢者の肺炎の80%以上は誤嚥性、特に食事中以外の、例えば睡眠中などに起こす不顕性誤嚥性肺炎が占める。
従ってその予防には、とろみ剤などによる食事対策だけでは不十分で、齲歯や歯周病治療、うがい、口腔ケアによって口腔内の病原菌を減らすことで誤嚥時に下気道へ病原菌が落下する機会を減らすことも大切になる。
もう一つの肺炎予防策として肺炎球菌ワクチンがあるが、以前は一生に一度の接種だったのが現在は5年に1度に改められている。
ではこの予防接種を誤って5年以内にもう一度打つとどうなるか?
当然免疫反応がブーストされるわけで、局所反応なんかが増強しやすい可能性があるとのこと。
まぁ一時的なものなので、数日経過観察すれば対して問題になるものではないので気にしすぎる必要はないということですがね。

*1:大脳基底核梗塞→DOPA↓→サブスタンスP↓→嚥下反射・咳反射↓→誤嚥↑→肺炎↑